MJG島根-宮崎福祉医療カレッジ MJG島根は2回表、二死満塁から2番三原(良)が左中間にタイムリー三塁打を放ち3‐2と逆転に成功 ハイタッチを交わす三原(良)(写真右)とコーチャーの三原(耕)(写真左)
【評】
第52回JABA徳山(スポニチ)大会が4月30日、山口県周南市の津田恒実メモリアルスタジアムで開幕した。MJG島根は、1回戦で宮崎福祉医療カレッジを4対3で振り切り初戦を突破した。
MJG島根は、失策が失点に絡むなど2点を先制されたが、2回表二死満塁で2番三原(良)の左中間適時3塁打で3‐2と逆転に成功した。5回裏に追いつかれたが、8回表一死3塁で1番日向の左翼線適時2塁打で逆転し4₋3で逃げ切った。2回から登板した三角が5イニング1失点と好投。3番手安達も7回からの3イニングを無失点に抑えた。
【三塁打】三原(良)・(2回)森脇(8回)【二塁打】日向(8回)【盗塁】神田(1回)・日向(8回)【失策】三島(1回)・今福(3回)
【バッテリー】伊本・三角・〇安達ー森脇
初回の好機を逃した後の守備で失策も絡み2点を先制された悪い流れを三原(良)のバットが断ち切った。
「ここで得点できないとマズイ」二死満塁の初球から積極的にバットを振った。「真っすぐ狙いだったが打ったのはスライダー」打球は風にも乗り左中間を深々と破り3人の走者が次々にホームベースを踏んだ。「これまでだとズルズルといっていたケース」と梶谷ヘッドコーチ。流れを取り戻す価値ある一打を3塁ベース上で主将で弟の三原(耕)と喜んだ。
炎のストッパーとして活躍した津田恒実さんの信条は「弱気は最大の敵」。津田さんの名を冠する球場で三角が強気の投球を披露した。先発伊本の不調で2回からのスクランブル登板となったが「いつでも行くつもりだった」と落ち着いたマウンド捌きで相手打線に立ち向かった。「真っすぐが走っていた」と5イニングで5三振を奪い、そのたびにマウンド上で吠えた。5回裏の守備で3塁ベースカバーを怠った直後にタイムリーヒットを許し同点とされる。この回でマウンドを降りる予定だったが「もう1回いかせてほしい」と首脳陣に直訴。打者3人を14球で料理した。「この試合のMVPは三角です」と梶谷ヘッドコーチ。津田さんのストレートには及ぶべくもないが、魂を込めた投球が勝利を手繰り寄せたことは間違いない。
チームのリードオフマン・日向の一打が勝負を決めた。試合の流れを読む能力と勝負どころをわきまえる能力に長けている。3、4打席と左投手相手にチャンスで凡退。前の回から右投手に代わりストレートに絞って打席に入った。「体が反応した」とワンボールからの2球目のストレートをコースに逆らわず振りぬくと打球は左翼方向に伸び外野手の頭を越え3塁から森脇がホームを踏み4‐3と勝ち越した。
2022年7月30日・津田恒実メモリアルスタジアム。安達は、勝てば全国クラブ選手権大会出場となる中国・四国代表決定戦の先発マウンドを任された。しかし、結果は3回4失点(自責点2)。チームも10対5で敗れ悲願達成はならかった。この日は、3‐3の同点で迎えた7回から3番手として登板。1点も許されない場面で9番から始まる相手打線を3者連続三振に仕留める。安達の投球に勢いを得たのか直後に1点を挙げMJG島根は4₋3と勝ち越しに成功。思うような投球ができない試合が続いていたが、この日はストレートを中心に組み立て4奪三振。最終回ヒット2本で二死1塁・3塁とヒヤリとさせたが最後の打者を遊ゴロに仕留めゲームセット。274日ぶりのマウンドで真価を発揮し、初の勝利投手となった。